伝えるということ
テーマを「相手の力を引き出すコミュニケーション」として赴いた研修先の方から、次のようなメッセージをいただきました。そのM様の許可をいただき、固有名詞を省略してシェアさせていただきます。
新しく迎え入れたスタッフに対し、気配りができない、仕事をその都度伝えなければならない、考えて行動しない、終わったことについての報告がない・・・・などなどヤキモキする毎日を過ごしており、自身の関わり方や指導、伝え方に問題があるのか?といった悩みを抱えておりました。そこで今回のテーマにたどりつきました。
(中略)
今回の研修会は、私一人が受けるだけでなく、当社の核となるスタッフと一緒に受けることができて本当に良かったと思っています。さらには、県下の同じ職域にあるスタッフと一緒に受けることができたのが、収穫だったとも思っています。
人材を取り巻く環境は現在も将来も明るい兆しがまだ見えておりません。しかしながら我々の仕事は、まだまだ社会的に求められる時代が続きます。新たな人材の確保と育成は、この業界全体に求められている課題だと思います。
現在携わっている私たちが、真剣に将来向けたビジョンを持ち、私たち自身が次世代を担う人材をしっかりと育てていくという意図を新たにすることも出来ました。
次世代までも含み、立場を明確にされたM様とスタッフの皆様が、意図される結果を手にされること、たくさんの承認と喜びに溢れた時間を分かち合われることを心から意図しています。講師として、センスを伝える機会をいただくことも、センスを現実に活かして結果に向かわれることに触れさせていただけることも、とても嬉しく、甲斐を感じます。
ありがとうございました。
例えば「どうして覚えてこないんだ!」という言葉。
相手を責め、非難し、しっかり覚えてこいよ!というディレクティブさも含んでいますね。しかし、この言葉を発した時の想いを掘るように探ってみると、
「はやく一人前になって仕事の遣り甲斐を味わって欲しい」
「お客様に喜んで頂けるスタッフになって欲しい」
「この仕事を覚えたら、任せたいことがあったのに・・・」
だったり、はたまた
「せめてここを覚えることができたら、仕事を続けたくなるかもしれない」
「チームの仲間と上手くやっていて欲しい」
といった想いと出会うかもしれません。
人の力を引き出したり、自分の価値を確認できたり、チャレンジングな行動がしたくなるインテンショナル・メッセージの入り口は、こうした自分の想いや意図を存在させることです。
また、「言われたことしかできない」という言葉、教育現場でも、企業でもささやかれることありませんか?
この時、伝えられている言葉は、「すること」=DOのみ、だとしたら、それによって相手の推察する力や想像力、別の場面ではどうするかという探究を止めてしまっている場合もあります。また、指示だけで人を動かし続けると、依存体質の相手にしてしまうことも・・・・。
創りたい未来を共有するパートナーとして相手を現すことができたら、お互いの命が更に輝きだすように思います。そして、これは、福祉や教育、ビジネス、家庭あらゆる場面に言えることでしょう。
そのためには、テクニックを超えたコミュニケーションセンスが機能してくることを、体験からも感じています。